この記事で分かること
  • 介護施設の外国人採用で欠員が出てから動き始めるのはリスク大きすぎる
  • 退職予定や新規開設の兆候が見えた段階で採用計画を前倒しし、受け入れや予算の準備を整えるための初動アクションが取れます
  • 国内在住人材なら2〜3か月、海外からの採用なら4〜6か月以上かかるリードタイムを逆算してスケジュールを組み立てる
  • ケアコンパスが提供する採用決定まで完全無料の相談・人支援を活用して、自施設に最適な採用スケジュールを検討できます

「外国人採用は、そのうち検討しよう」と考えているうちに欠員が出て、慌てて採用を始める。施設からいただくご相談の中にも、こうしたケースがあります。

外国人採用を始めるベストなタイミングは、欠員が出る前です。国内にいる人でも入職まで2〜3か月、海外からの採用では4〜6か月以上かかることがあるため、必要になる日の半年前を目安に動き始めるのがおすすめです。

この記事では、必要な時期から逆算する考え方や、採用を始めるタイミングの判断、欠員対応から計画採用へ切り替える方法について、一般社団法人外国人介護留学生支援機構(ケアコンパス)の青山がお伝えします。

介護施設の外国人採用はいつ始めるべき?

介護施設の外国人採用はいつ始めるべき?

外国人採用は、欠員が出る前に動き始めるのが理想です。求人を出せば翌月には入職、というわけにはいかないからです。

半年後に1人辞めるなら今すぐ動くべき理由

国内にいる人を採用する場合でも、入職まで2〜3か月ほどは見ておく必要があります。海外から呼ぶ場合は、4〜6か月以上かかることもあります。

欠員が出てから探し始めると、入職までの数か月は今いる職員でカバーしなければなりません。

半年後に1人辞めることが分かっているなら、その時点で動き始めても早すぎることはありません。募集をかけても、すぐに人が見つかるとは限りません。

人が足りなくなるまで待つのではなく、必要になると分かった時点で準備を始める。外国人採用は、そのくらい余裕を持って進めたい採用方法です。

採用から入職までの詳しい流れは「採用スケジュール完全ガイド」で解説します。

外国人採用のリードタイムから逆算するスケジュールは?

外国人採用のリードタイムから逆算するスケジュールは?

外国人採用は、「いつまでに入職してほしいか」から逆算して考えます。国内から採用するか、海外から呼ぶかによって、動き始める時期も変わります。

国内在住人材なら入職まで2〜3か月が目安

すでに日本に住んでいる人を採用する場合は、海外から呼ぶ場合に比べて入職までの期間は短くなります。

ただ、採用が決まったらすぐに働けるわけではありません。面接や雇用契約、在留資格の手続き、施設側の受け入れ準備などが必要です。

ケアコンパスでの支援では、こうした手続きや準備の期間も含めて、入職まで2〜3か月ほどを目安にしています。

「2〜3か月あるからまだ大丈夫」と思わず、入職してほしい時期が決まっているなら、早めに動いておくと安心です。

関連記事:「介護施設が登録支援機関を利用するメリットは?自社支援との違いを法令・工数・費用で比較!」

海外から呼び寄せる場合は4〜6か月以上かかる

海外から採用する場合は、国内にいる人を採用するより時間がかかります。現地での面接や採用手続きに加えて、在留資格認定証明書の申請や出国に向けた手続きなどが必要になるためです。

ケアコンパスでの支援では、入職まで4〜6か月以上を目安にしています。手続きの状況によっては、さらに時間がかかることもあります。

海外からの採用を考えている場合は、半年ほどの期間を見込んで、早めに準備を始めておきましょう。

関連記事:「送り出し機関とは?海外から介護人材を採用する仕組み・費用・注意点をわかりやすく解説!」

必要になる日からの逆算表を書いてみる

たとえば、10月に1名の入職が必要だとします。

国内にいる人を採用するなら、7月ごろには相談や人選を始めたいところです。海外から採用する場合は、4月ごろには着手しておく必要があります。

【表】入職時期から考える採用開始時期の目安

入職してほしい時期 国内在住人材 海外から採用
10月 7月ごろから 4月ごろから
自施設の場合 ( )月ごろから ( )月ごろから

実際には、手続きの状況によって入職時期が前後することもあります。まずは「いつまでに何人必要か」を書き出してみると、採用を始める時期も考えやすくなります。

外国人採用を始めるきっかけ別のタイミング判断

外国人採用を始めるきっかけ別のタイミング判断

採用を考え始めるタイミングは、施設によって違います。ここでは、欠員・退職予定・新規開設という3つの場面ごとに、いつ動き始めるべきかを見ていきます。

欠員が出てから始めると何が起きるか

欠員が出てから採用を始めても、外国人の場合はすぐに入職とはいきません。

入職までの数か月は、今いる職員でシフトを回すことになります。これまで相談を受けた施設でも、残業を増やしたり、休みを調整したりして対応していました。

欠員が出て人手が足りない状態の施設から、「外国人を採用したいけれど、今は教える人がいない」という相談を受けることもあります。

人がいないから採用したい。でも、人がいないから教えられない。そこで採用を迷っていると、人が増えないまま今いる職員の負担が続きます。

私が見てきた中では、その状態が続いて、また職員が辞めてしまった施設もありました。

欠員が出た時点は、採用を始めるタイミングとしては遅いと考えてください。人手に少しでも余裕があるうちのほうが、受け入れの準備も進めやすくなります。

関連記事:「外国人介護人材は施設経営をどう変える?モデルケースで具体的にわかる経営インパクトを試算!」

退職の兆候・退職予定が見えた時点が実質的なスタートライン

退職の予定が分かった時点で、次の採用の準備を始めれば空白期間を短くできます。

外国人採用を始めるタイミング

たとえば、本人から退職の申し出があったときや、契約を更新しない意向が分かったときです。退職日まで数か月あると「まだ時間がある」と思いがちですが、外国人採用ではその数か月がちょうど準備期間になります。

退職日が近づいてから慌てるのではなく、予定が見えた段階で相談や人選を始めておくと、施設側にも余裕が生まれます。

退職につながる兆候や定着については、「外国人介護職員が辞める施設・定着する施設の違い」で詳しく解説しています。

新規開設・増床が決まったら最優先で採用計画に組み込む

新規開設や増床では、一度に複数の人員を確保する必要があります。開設日が決まっているため、採用が間に合わないからと簡単に予定をずらすこともできません。

外国人採用を考えているなら、開設や増床が決まった時点で最優先で採用計画に組み込んでおきましょう。

何月から動くのか、何人採用するのかなど、具体的なスケジュールは「新規開設・増床時の採用計画」で詳しく解説します。

欠員対応から計画採用へ切り替える

欠員対応から計画採用へ切り替える

欠員が出てから採用する。この繰り返しでは、毎回急いで人を探すことになります。

そこで考えたいのが、欠員が出る前から採用を進める計画採用です。

計画採用とは

計画採用では、これまで毎年どのくらい退職者が出ているのか、これから何人必要になるのかを見ながら、次に採用する人数を先に決めておきます。

たとえば、毎年ある程度の退職者が出ているなら、それを見越して「来年度は何人くらい採用しておこう」と先に決めておきます。

欠員が出てから動く欠員対応が受け身の採用だとすれば、計画採用は先回りして動く採用です。

計画採用に変えると何が良くなるか

計画採用に変えると、主に次の3つのメリットがあります。

  1. 急いで採用しなくていい
  2. 受け入れ準備ができる
  3. 採用費用を予算に入れられる

欠員が出てからだと、「早く人を入れたい」となりがちです。早めに動いておけば、面接にも時間をかけて人を選べます。

入職までに、誰が教えるのか、どうやって教えるのかを決めておけます。人手が足りない中で、採用と教育を同時に進める状況も避けやすくなります。

来年度に何人採用するかが決まっていれば、その分の費用も先に予算に入れておけます。急な出費にならず、年度ごとの費用の見通しも立てやすくなります。

年度計画・予算サイクルへの組み込み方

計画採用を続けるには、年度の予算を決める時期に、翌年度の受け入れ人数と採用費用をあわせて決めておくことがポイントです。入職の時期も、繁忙期を避けたり、教える職員の体制が整う時期に合わせたりしておくと受け入れがスムーズになります。

以前ご相談いただいた施設では、人が足りなくなるたびに、一時的な人員補充で対応していました。ただ、それだけでは先の人員計画が立てにくく、新卒採用もなかなか難しい状況でした。

外国人職員の定期的な受け入れを始めてからは、「今年は何人入れるか」「来年4月は何人入れるか」と、毎年の採用人数を先に決めるようになりました。

「3人採用したいけれど、1人辞めるかもしれないから来年は4人にしようか」と、退職も見込んだ人数でご相談いただく施設もあります。

タイミングを逃さないために今日からできる準備

タイミングを逃さないために今日からできる準備

まだ外国人採用を決めていなくても、今の職員数と、半年後、一年後にどうなりそうかは一度確認してみてください。私が相談を受けるときも、今何人いるかだけではなく、これから退職しそうな職員がいるか、今後人が増えそうか減りそうかを聞いています。

そのうえで、次のような準備を進めておくと、必要になったときにすぐ動けます。

  • 外国人職員を受け入れられる施設か確認する
  • 採用にどのくらい費用がかかるか確認する
  • どの在留資格で採用できるか確認する
  • まだ採用を決めていなくても、一度相談してみる

ケアコンパスでは、相談や人材選定は採用決定まで無料のため、検討段階からご相談いただく施設も多くあります。

費用については「外国人介護人材の採用は本当にコスト削減になる?派遣・人材紹介と比べたコストを解説!」、在留資格については「介護分野で外国人が働ける在留資格は何種類?EPA・特定技能など4制度の違いを比較!」で詳しく解説しています。

まとめ

「外国人採用はいつから始めたらいいですか」と聞かれることがあります。私の答えは今です。

「まだ人が足りているから」「必要になるのは半年後だから」と待っているうちに、状況が変わることがあります。欠員が出てからではなく必要になる日の半年前を目安に、まだ余裕があるうちに考え始めてほしいと思っています。

採用するかどうかは、相談してから決めても遅くありません。まずは半年後、1年後に何人必要になりそうか。そこから一緒に考えていければと思います。

ケアコンパスへのご相談や人材選定は、採用が決まるまで費用はかかりません。検討段階の情報収集としても、お気軽にご利用ください。

初めて外国人採用を検討する施設の方は、「初めての外国人採用ガイド」もあわせてご覧ください。