この記事で分かること
  • 外国人介護人材の採用では、賃金は日本人と同等以上にする必要があるため人件費自体は下がりません
  • 派遣依存や早期離職の繰り返しと比べた総額では削減が可能
  • 派遣費用、紹介手数料、離職による再採用コストを1名あたりの総額で比較したうえで、採用ルートを判断する
  • 自施設の直近1年間の採用にかかった紹介手数料と離職者数を洗い出す
  • ケアコンパスでは無料の費用シミュレーションと個別相談に対応しています

「職員が3か月で退職し、支払った紹介手数料がほとんど戻ってこなかった」。介護施設から実際によく受ける相談(というか愚痴?)です。

外国人介護人材の採用を検討する施設の多くが、安く雇えるのではないかという期待と結局高くつくのではないかという不安の間で立ち止まっています。

弊社Care Compass(ケアコンパス)では、月々の人件費が劇的に安くなることはないと、まずお伝えします。

ただし、派遣への依存や、採用と離職を繰り返す状態と比べたコスト総額では話が変わってきます。

この記事では、賃金で削減できない制度上の理由から、実際にかかる費用の内訳、4年トータルでの比較、そして費用を回収できるかどうかを分ける条件まで現場で見てきた実態をもとに整理します。

外国人介護人材を日本人より安く雇えないのはなぜ?

外国人介護人材を日本人より安く雇えないのはなぜ?

外国人介護人材の採用を検討するとき、まず整理すべきは賃金の話と採用構造の話を分けることです。この2つを混同したまま検討を始める施設が数多くあると感じています。

ただし、賃金で削減できないとしても、採用のやり方次第でコスト構造そのものを変えられる余地は残っています。

日本人と同等以上の報酬が必要になる制度上の理由は?

特定技能で外国人介護人材を受け入れる場合、日本人が同じ業務に就くときと同等以上の報酬にすることが、出入国在留管理庁の特定技能運用要領で受け入れの要件として定められています。

この点を理解しないまま外国人なら安く雇えるという前提で検討を始める施設が非常に多いと感じています。

ただし、同等以上という基準は最低ラインであり、経験や資格に応じて昇給の仕組みを設ける裁量は施設側に残っています。

賃金を低く設定した雇用契約は在留資格の審査で認められません。賃金でのコスト削減という発想自体が制度の前提と噛み合っていないと考えるべきです。

介護施設の採用コストは現在どれくらいかかっている?

全国老人福祉施設協議会の令和5年度人材紹介手数料実態調査報告によると、常勤の介護福祉士を人材紹介会社経由で採用する場合、1人あたりの紹介手数料は平均で89万円程度かかっています。

調査対象430施設のうち142施設では100万円を超えています。

この金額を把握しないまま採用活動を続けている施設が少なくないのではないでしょうか?

定着しなければ紹介手数料の繰り返し

加えて、金額だけでなく、採用した職員がどれだけ定着するかまで含めて考える必要があります。

人材紹介で採用した介護職員のうち、採用から6か月以内に退職した人数が985人中566人にのぼり、割合にして57.4%に達している点です。

紹介手数料を払っても、半数を超える職員が半年以内に辞めているのが実態です。これに加えて、欠員期間中の派遣費用や残された職員の残業代も採用コストの一部として重くのしかかります。

介護職員が1人辞めるとどんなコストが発生する?

介護職員が1人退職すると以下コストが同時に発生します。

  • 再び採用活動を行う費用(主に紹介手数料)
  • 新しい職員への教育をやり直す時間
  • 残った職員の残業とシフト負担の増加

3つ目は数字に表れにくいコストです。介護労働安定センターの令和6年度介護労働実態調査では、介護職員について大いに不足、不足、やや不足のいずれかと回答した事業所が69.1%にのぼっています。

慢性的な人手不足の中で1人が抜けた穴を残りの職員で埋めている実態がうかがえます。この負担の蓄積が、次の離職を招く連鎖につながります。

外国人介護人材の採用でどのコストを削減できる?

外国人介護人材の採用で削減できるのはどのコスト?

外国人介護人材の採用でコスト削減につながるのは、賃金ではなく採用の構造です。以下3つの視点で見ていくと分かりやすいと考えています。

  • 人材紹介手数料の圧縮
  • 離職と再採用を繰り返すループの停止
  • 派遣依存からの脱却

それぞれの仕組みを順に見ていきます。

人材紹介会社への手数料

外国人介護人材の採用では、送り出し機関と登録支援機関を経由するため、日本人採用のたびに発生する数十万円規模の紹介手数料そのものを回避できます。

多くの介護施設にとって、この一回あたりの手数料の重さは、経営を圧迫する最大の要因の一つとなっています。

日本人採用の場合、採用のたびに1人あたり平均90万円前後の紹介手数料が発生します。

外国人介護人材の採用では、登録支援機関への支援委託費は継続的に発生するため、手数料がゼロになるわけではありません。

単発の高額な手数料の代わりに、月々数万円の支援委託費という形でコストが平準化されます。単月の負担が軽くなる分、資金繰りの見通しも立てやすくなります。

採用と離職を繰り返すループ

特に総額への影響が大きいのは、離職と再採用を繰り返すループの停止です。外国人介護人材は、在留資格の更新や定期的な支援を通じて、施設側と本人の双方が長期就労を前提に関わる仕組みになっています。

採用してすぐ辞めてしまうという日本人採用で起きがちな悪循環を断ち切る効果を持ちます。ただし、効果を発揮するかどうかは、就労後の支援の質に左右されます。

在留資格の更新には一定期間の在籍実績が前提となるため、外国人介護人材本人にとっても短期での離職はキャリア形成上のメリットが小さくなります。

加えて、登録支援機関による定期的な面談や生活相談が、悩みを早期に把握し離職を防ぐ役割を果たします。採用と離職を繰り返すループが止まれば、そのたびに発生していた手数料と教育コストも同時になくなります。

派遣への依存

外国人介護人材を自施設の直接雇用として迎えることで、慢性的な欠員を派遣で埋め続ける状態から抜け出せます

派遣への依存は一時しのぎとしては有効でも、続けるほど固定費化していく点に注意が必要です。ただし、受け入れ準備には一定の期間がかかるため、置き換えは段階的に進めることになります。

派遣は欠員をすぐ埋められる利点がありますが、時給に上乗せされるマージンは雇用契約が続く限り発生し続けます。

外国人介護人材を直接雇用することで、この上乗せ分を段階的に減らせます。

次の章では、派遣・日本人採用・外国人採用の3つのルートを4年間で比較し、それぞれのコスト構造の違いを具体的に見ていきます。

派遣と日本人採用と外国人採用は4年でどのくらい違う?

派遣と日本人採用と外国人採用は4年でどのくらい違う?

以下3つのパターンを、4年間の総額で比較します。

  • 派遣に頼り続けた場合
  • 日本人採用で早期離職を繰り返した場合
  • 外国人介護人材を採用して定着した場合

数字はすべて1名分の仮定例であり、実際の金額は施設の条件によって変わります。比較の軸は、初期費用、月々の固定費、離職によって発生する再取得コストの3つに固定します。

派遣に頼り続けた場合のコスト構造

派遣に頼り続ける場合、初期費用はかからない一方で、派遣料金には派遣会社の諸経費や利益にあたる上乗せ分が含まれています。ただし、急な欠員を一時的に埋める手段としては依然として有効です。

一般社団法人日本人材派遣協会の集計によると、派遣料金のうち派遣社員本人の賃金にあたる部分はおよそ7割で、残りから直接雇用でも発生する社会保険料等を除いた派遣会社固有の上乗せ分は派遣料金のおよそ15%にあたります。

厚生労働省の労働者派遣事業報告書によると、介護分野の派遣労働者の平均賃金は8時間で約12,000円です。

上記の水準をもとに試算すると、フルタイム相当の1人分を派遣で埋め続けた場合の上乗せ分は月あたり約5.6万円(月21.75日勤務換算)になります。

さらに、派遣はあくまで欠員を一時的に埋める手段であり、配置基準を満たす正職員としての人員不足そのものを解消するものではありません。

日本人採用と早期離職を繰り返した場合の4年コスト

日本人を人材紹介会社経由で採用し、早期離職を繰り返した場合、紹介手数料が複数回発生します。紹介手数料に加えて、採用のたびに発生する教育コストも見落とせません。

紹介手数料は1人あたり平均89万円程度で、採用した職員が6か月以内に離職する割合は57.4%です。4年間で4人体制の入れ替わりが起きた場合、手数料だけで約356万円かかる計算になります。

これに加えて、そのたびに発生する研修時間や指導役の職員の負担も積み重なります。早期離職が続くほど、総額は膨らみ続けます。

外国人介護人材を採用して定着した場合の4年コスト

登録支援機関を通して外国人介護人材を採用する場合、初期費用(80万円程度)と月々の支援委託費(2~4万円程度)の両方がかかります。そのため、初年度の負担は日本人採用より重くなります。

登録支援機関に委託する場合の月額費用は、一般的に2万円から4万円程度が相場です。

実際にかかる費用は施設の条件によって異なるため、自施設の場合でどうなるかは個別に見積もりを取ることをおすすめします。

ケアコンパスでは紹介料を1名一律40万円とし、外国人介護人材紹介の一般的な相場の半分以下に設定しています。支援業務費用は月額3万円で、採用が決まるまでの相談や人材選定は無料としています。

採用ルート比較一覧

以下は、常勤の介護職員1枠分を対象に、4年間(48か月)の費用を仮定の数値で試算した例です。

  • 派遣:派遣会社固有の上乗せ分を月5.6万円
  • 日本人採用:紹介手数料を1人あたり89万円として4年間で4人分(早期離職による再採用が3回発生したケース)
  • 外国人介護人材:初期費用80万円と支援委託費月3万円で4年間定着したケース
  • 外国人介護人材(弊社ケアコンパス):初期費用40万円と支援委託費月3万円で4年間定着したケース
比較軸 派遣に頼り続けた場合 日本人採用で早期離職を繰り返した場合 外国人介護人材を採用して定着した場合 ケアコンパスを活用した場合
初期費用 0円 約89万円×4人≒356万円 約80万円 40万円
月々の固定費 月5.6万円×48か月≒268.8万円 求人広告費 約5万円×4回≒20万円 支援委託費 月3万円×48か月≒144万円 支援委託費 月3万円×48か月≒144万円
4年間総額 約268.8万円 約376万円 約224万円 約184万円

実際の金額は施設の条件によって変わるため、あくまで目安としてご覧ください。

この試算では、外国人介護人材を採用して定着した場合の4年間の総額は約224万円となり、日本人採用で早期離職を繰り返した場合の約376万円とは比べるまでもありませんし、派遣に頼り続けた場合の約268.8万円も下回ります。

さらに、派遣は欠員を埋め続ける限り月5.6万円の上乗せが際限なく発生し続けるのに対し、外国人介護人材は初期費用を払い終えたあとは支援委託費のみで済みます。

つまり、年数が経つほど差は広がっていきます。さらに、ケアコンパスでは紹介料を1名一律40万円ですので、ますます差は大きくなっています。

総額だけでなく、何年契約を続けるつもりか、正職員としての体制を作れるかどうかもあわせて判断する必要があります。

なぜ外国人介護人材のコスト回収パフォーマンスは定着率で決まるのか?

なぜ外国人介護人材のコスト回収パフォーマンスは定着率で決まるのか?

派遣でも日本人採用でも外国人採用でも、コスト総額を最終的に左右する最大の変数は離職率です。

結局は、どの採用ルートを選ぶかより、定着への投資をどれだけ行うかの方が実は総額への影響が大きくなります。

支援委託費を安さだけで選ぶと、生活面のフォローが手薄になり、結果として職員が定着せず、かえって総額が高くつくことがあります。

支援の質は削る場所ではなく、コストを回収するための前提条件だと考えています。ただし、価格の高さがそのまま支援の質を保証するわけではないため内容を具体的に確認する必要があります。

定着を左右するのは、採用時の見極めと就労後の生活面のフォローです。

委託費を安さだけで比較すると、こうした支援の手厚さまでは見えてきません。自施設が必要とする支援の内容を具体的に確認したうえで登録支援機関を選ぶことをおすすめします。

ケアコンパスでは、送り出し機関の面接に加えて当機構側でも面接を行う2段階の選考を行い、就労後は銀行口座の開設や通院への同行といった生活面の支援も担っています。

まとめ

外国人介護人材の採用でコスト削減を実現するポイントは、賃金を下げることではなく、離職のループを止め、派遣依存から抜け出すことにあります。

自施設の場合、実際にどれくらいの費用がかかり、何年で回収できるのかは条件によって変わります。

ケアコンパスでは、採用が決まるまでの相談や人材選定を無料で行っており、紹介料は1名一律40万円、支援業務費用は月額3万円としています。

まずは自施設の状況をもとにした費用のシミュレーションを無料相談で確認してみてください。

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