特定技能外国人はいつから介護現場の戦力になる?制度上の即戦力と現場の即戦力の違いをケアコンパスが解説!
| この記事で分かること |
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「特定技能の外国人職員は即戦力になると聞くけれど、採用したらすぐに仕事を任せられるのだろうか?」人手が足りない施設ほど、気になることだと思います。
制度上は、働き始めた日から人員配置基準に算入できます。
ただ、現場で安心して仕事を任せられるようになるまでには一定の期間がかかり、その長さも人によって違います。
「制度上の即戦力」と「現場の即戦力」は、分けて考える必要があります。
この記事では、入職後1・3・6か月でできる仕事の目安や、早く仕事を覚えてもらうための施設の工夫、受け入れる際に気をつけたいことを一般社団法人外国人介護留学生支援機構(ケアコンパス)の青山がお伝えします。
特定技能外国人は制度上いつから戦力になる?

特定技能外国人は、働き始めた日から介護施設の人員配置基準に算入できます。シフト上の「頭数」として、入職初日から数えられるということです。
ここでは、技能実習やEPAとの違いと、初日から算入できる理由を見ていきます。
人員配置基準への算入ルールでの技能実習・EPAとの違い
技能実習生やEPA介護福祉士候補者は、原則として就労開始から6か月後に算入できます。
2024年4月からは、施設が日本語力や仕事の習熟度を確認し、必要な指導・安全管理体制を整えるなどの条件を満たせば、6か月を待たずに算入することも可能になりました。
特定技能の場合は、最初から配置基準上の職員として数えられます。受け入れ直後から人員配置の計画に組み込みやすい点は、施設にとって大きなメリットです。
関連記事:「介護分野で外国人が働ける在留資格は何種類?EPA・特定技能など4制度の違いを比較!」
特定技能が初日から算入できる理由
介護分野の特定技能では、介護の知識や技能、日本語力について一定の基準が設けられています。
試験を受けて特定技能になる場合は、次の3つに合格する必要があります。
- 介護技能評価試験:介護の基本的な知識や技能を確認する
- 介護日本語評価試験:介護現場で使う日本語を理解できるか確認する
- 日本語試験:日本語能力試験N4以上、または国際交流基金日本語基礎テストに合格する
介護職種の技能実習2号を良好に修了した人など、試験が免除される場合もあります。
こうした基準があるため、制度上は初日から人員配置基準に算入できます。
ただ、試験に合格していても、その施設の仕事の進め方や利用者さんへの対応まで知っているわけではありません。そこは入職してから覚えていく必要があります。
関連記事:「特定技能「介護」とは?人手不足対策として注目される外国人介護人材を徹底解説」
制度上の即戦力と現場の即戦力は違う?

配置基準に数えられることと、現場で安心して仕事を任せられることは別です。施設によって仕事の進め方は違います。
特定技能外国人は「介護の基本を身につけた新人」と捉えると、適切な期待感を持って受け入れやすくなります。
基本的な身体介助・利用者とのやり取りは入職時点でもできる
特定技能外国人は、介護の知識や技能を身につけてから入職しています。介護を一から教える必要がないということです。
私が関わっている施設では、挨拶や利用者さんへの声かけがしっかりできると評価されることが多いです。
食事・排泄・入浴などの介助も、入職時からある程度できる人がいます。ただ、介護経験のある人と未経験の人では、任せられる仕事に違いがあります。
日本人の未経験の新人と同じように、まずは先輩職員と一緒に仕事をしながら、その施設のやり方を覚えてもらいます。
最初から何でも任せるのではなく、できることを確認しながら仕事を増やしていくのがよいと思います。
入職直後に記録・申し送り・利用者ごとの個別対応・緊急時は難しい
入職してすぐに難しいのは、介護記録や申し送り、急変時の報告です。
食事や排泄などの介助はできても、利用者さんの様子を日本語で正確に伝えるのは簡単ではありません。介護記録には専門用語や略語も出てきます。
記録の方法も施設によって違います。タブレットなら早い段階で任せられる場合もありますが、文章を書く記録は後から覚えてもらうことが多いです。
利用者さんへの対応も、その方の体調や普段の様子を知ってからでないと難しいことがあります。
日本人の新人でも、利用者さんのことや施設のルールを覚えるには時間がかかります。
外国人職員の場合は、そこに日本語の難しさも加わるので、本人の理解度を確かめながら教えていく必要があります。
国の運用が想定する順応期間は就労開始から目安6か月?
特定技能外国人は、初日から人員配置基準に算入できます。ただ、最初から一人で仕事を任せることまでは前提にしていません。
厚生労働省は、入職後の一定期間、経験のある職員と一緒にケアを行うなど、安全に仕事を覚えられる体制を求めています。
JICWELSの夜勤に関するQ&Aでは、この期間を6か月と説明しています。
ただし、6か月間は必ず一人で仕事をしてはいけないという決まりではなく、夜勤を任せる時期は施設で判断することになります。
実際に現場を見ていても、本人の介護経験や日本語の理解度によって、仕事を任せる時期はさまざまです。
「配置基準には初日から入るが、独り立ちは6か月を目安に考える」というのが、制度と現場の両方に合った捉え方です。
そのうえで、期間だけで区切らず、本人の習熟度を見て判断するのが現実的です。
【入職1・3・6か月】特定技能外国人が戦力になるまでに何が変わる?

入職してから仕事を任せられるようになるまでのスピードは、介護経験や日本語力、施設の受け入れ体制によって差があります。
ここでは、私が支援の現場で見てきた様子をもとに、1か月・3か月・6か月の目安を紹介します。
入職〜1か月は業務の流れと利用者を覚える期間
入職して最初の1か月は、利用者さんの顔と名前や一日の仕事の流れを覚える時期です。
施設によって日勤から始めるところもあれば、早番から始めるところもあります。まずは一つの時間帯の仕事を覚えてから、ほかの時間帯へと広げていくことが多いです。
介護経験がある人なら、1か月ほどで仕事に慣れる場合もあります。未経験の人でも先輩職員と一緒に働きながら、食事や排泄の介助などを少しずつ覚えていきます。
この時期に本人が何を一人でできて、どこに手助けが必要かを施設側が把握しておくと、その後の計画が立てやすくなります。
関連記事:「外国人介護職員の受入れ初日に行うオリエンテーションとは?時系列の進め方とやってはいけないこと解説」
入職3か月は担当業務を一人で回せるようになる時期
入職から3か月ほど経つと、食事や排泄など、決まった介助を一人でできる人も増えてきます。
私が施設の方と話す中で一つの目安になると感じるのは、一日の仕事の流れを覚えて、自分で次の仕事に動けるかどうかです。
最初は先輩職員に教えてもらいながら動いていても、慣れてくると次に何をする時間なのかが分かるようになります。そこまで覚えられると、施設も仕事を任せやすくなります。
記録や申し送りは、まだ手助けが必要な人もいます。早い人もいれば時間がかかる人もいるので、3か月はあくまで目安と考えてください。
入職6か月〜1年で夜勤・緊急対応を含めた戦力
入職から半年ほど経つと、夜勤など判断を伴う仕事を少しずつ任せられるようになります。
夜勤を任せるのは、日勤や早番などの仕事を覚えてからが多いです。時期は施設によって異なりますが、いずれも本人の習熟度を見て判断しています。
急変時の報告は、日本語で状況を正確に伝える必要があるので難しい仕事の一つです。
普段の介助ができるようになっても、急変時の対応にはまだ不安がある人もいます。
急変時の報告の流れは、先輩職員と一緒に事前に確認しておくと本人も落ち着いて対応できます。
関連記事:「特定技能外国人は夜勤ができる?一人夜勤の可否と任せる前の準備を現場目線で解説!」
特定技能外国人の立ち上がりを早める施設側の工夫とは?

仕事を覚える早さは、本人の経験や日本語力だけで決まるものではありません。施設がどのように仕事を教えるかによっても変わってきます。
「見て覚えて」ではなくOJTを段階設計し教育担当を決める
私が関わっている施設で、職員が早く仕事を覚えているところには、共通する工夫があります。
- 教育担当者を決める
- 覚えた仕事を確認しながら、任せる業務を増やす
- 定期的に面談し、できることや課題を確認する
最初からいろいろな仕事を教えるより、まずは一つの時間帯の業務を覚えてもらい、その後に仕事を増やしていく施設が多いです。
教育担当者を決めておけば、本人も誰に聞けばよいか迷わずに済みます。教える人によって説明が違うと本人も戸惑ってしまいます。
教えるときは、本人の返事だけで判断しないことも大切です。「分かりました」と返事をしていても、本当に理解できているとは限りません。
施設には、教えたことを本人にもう一度説明してもらうなど、理解できているか確認することをおすすめしています。
関連記事:「外国人介護職員の教育担当はどう決める?向いている人の条件と負担を軽くする工夫を解説」
記録と申し送りの型をテンプレートとやさしい日本語で用意
介護記録や申し送りは、日本語が話せる人でも難しい業務の一つです。
利用者さんの様子を正確に伝えるには、介護の専門用語や施設独自の言葉も覚えなければなりません。
私が関わっている施設でも、掲示物の漢字にふりがなを付けるなど、言葉の面で工夫しているところがあります。
記録や申し送りでも、迷わずに済む工夫を施設側で用意しておくと、スムーズに仕事に慣れることができます。
記録を書くときは、何をどう書けばよいか迷うこともあるでしょう。そんなとき、よく使う文章の例があれば、それを参考に書くことができます。
申し送りで使う言葉も一覧にしておくと便利です。
分からない言葉が出てくるたびに、誰かに聞くのは本人も大変です。自分で調べられるものがあれば、仕事を覚える助けにもなります。
また、先輩職員の指示を短い文や具体的な言葉に言い換えるだけでも、伝わり方は大きく変わります。
立ち上がりの速さは人材選定で半分決まっている?
介護経験がある人や日本語での会話に慣れている人は、仕事を覚えるのも早い傾向があります。ただ、経験があるからといって、どの施設でもすぐに仕事ができるわけではありません。
介助の方法や仕事の進め方は施設によって違います。反対に、介護未経験でも、その施設のやり方を素直に覚えていく人もいます。
私が人材を見るときに重視しているのは、経験や日本語力だけではありません。相手の話を聞こうとする姿勢や、自分の言葉で何とか伝えようとする姿勢も見ています。
日本語が分からないときに、すぐ誰かに頼るのではなく、自分でも伝え方を考えようとするか。
そうした姿勢は、入職後に仕事を覚えていくうえでも大事だと感じています。
採用の際は、今どれだけ仕事ができるかだけでなく、入職後に伸びていける人かどうかにも目を向けてみてください。
関連記事:「外国人介護人材の採用で失敗する施設・成功する施設の違いとは?3つの失敗パターンと成功施設の共通点」
即戦力を期待するときに気をつけたい3つのこと

採用したからには、できるだけ早く仕事を任せたいと考える施設もあると思います。
とはいえ、最初から日本人の経験者と同じように働けると考えてしまうと、本人も教える側も困ることがあります。受け入れ時に気をつけてほしいことを3つお伝えします。
注意①初日から一人分の仕事を任せない
特定技能外国人は、入職初日から人員配置基準に算入できます。だからといって、初日から一人分の仕事を任せられるわけではありません。
介護経験がある人でも、利用者さんの名前や介助方法、施設の仕事の流れは一から覚える必要があります。
それでも人手が足りない施設ほど、入職直後から欠員の穴を埋める形でシフトに入れてしまいがちです。
聞ける相手がいないまま業務をこなすことになり、ミスや事故につながるおそれもあります。
最初は先輩職員と一緒に動き、利用者さんや一日の流れを覚えてもらう期間をあらかじめ見込んで、シフトを組むことが大切です。
注意②日本人の経験者と比べて「遅い」と判断しない
外国人職員を受け入れた施設から、日本人なら言わなくても分かることが、なかなか伝わらないという話を聞くことがあります。
日本人でも初めての職場では、仕事の進め方が分からないものです。
外国人職員の場合は、それに加えて日本語での説明が十分に理解できず、次に何をすればよいか迷っていることもあります。
周りを見て動いてほしいと思っても、本人には何を求められているのか分からないかもしれません。そんなときは、してほしいことを具体的な言葉で伝えてください。
仕事が遅いと判断する前に、まずは教えたことがきちんと伝わっているかを確かめてみてください。
関連記事:「外国人スタッフとの面談で何を話す?質問例と「大丈夫です」で終わらせない工夫」
注意③できていないことばかりを伝えない
早く仕事を覚えてほしいという施設の気持ちはよく分かります。ただ、期待値のズレは言葉にしなくても本人に伝わるものです。
本人も一生懸命覚えようとしているのに、できていないことばかり指摘されると、自信をなくし、仕事を続ける意欲まで失ってしまうこともあります。
私が施設にお願いしているのは、できていないことだけでなく、覚えた仕事も本人に伝えてほしいということです。
何ができるようになったのか、次はどの仕事を覚えてほしいのか。そこを本人と確認しておけば、目標も分かりやすくなります。
早く一人前になってもらおうと焦るより、「半年かけて育てる」という考えを施設全体で共有しておくと結果的に定着にもつながります。
関連記事:「外国人介護職員が辞める施設・定着する施設の違いとは?見落とされがちな離職原因を解説」
※ケアコンパスでご案内する人材紹介は、グループ会社の株式会社ラヴェリオリンクスタッフ(有料職業紹介 許可番号27-ユ-300619)が行っています。
まとめ
特定技能外国人は、入職初日から人員配置基準に算入できます。ただ、それは初日から一人で仕事を任せられるという意味ではありません。現場で安心して任せられるようになるまでは、3〜6か月がひとつの目安です。
介護経験がある人なら、比較的早く仕事に慣れることもあります。未経験の人でも、教え方や本人の頑張りによって、少しずつできる仕事が増えていきます。
私が施設の皆さんにお伝えしたいのは、採用した時点で何ができるかだけでなく、入職後にどう教えていくかも考えてほしいということです。
教育担当を決め、覚えた仕事を確認しながら次の仕事を任せていく。そうした積み重ねが、施設にとっても本人にとっても、無理のない受け入れにつながります。
採用前の段階から「いつから、どこまで任せるか」を一緒に考えることもできますので、お気軽にケアコンパスへご相談ください。
初めて外国人介護職員を受け入れる施設の方は、こちらも参考にしてください。
よくある質問
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特定技能の外国人職員は、入職後いつから人員配置基準に算入できますか?
就労を開始した初日から人員配置基準に算入可能です。特定技能外国人は介護技能や日本語の試験に合格しており、一定の基礎知識や実務技術を備えていると判断されるためです。原則として就労後6か月間の算入制限があった従来の技能実習などと比べ、採用後すぐにシフト計画へ組み込める点が施設運営における大きな利点となります。ただし、初日から一人で業務を完結できるわけではない点に留意が必要です。
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特定技能外国人が一人立ちするまでの期間や業務内容の目安はどのくらいですか?
本人の介護経験や日本語力によって差がありますが、一般的な目安は以下の3段階です。
・入職〜1か月:一日の業務の流れや利用者の顔と名前を覚える期間
・入職3か月:担当業務を一通り把握し、指示を待たずに自発的に動ける時期
・入職6か月〜1年:夜勤や緊急時対応を含め、判断を伴う業務を任せられる戦力化
国の運用目安でも夜勤開始までは目安6か月と示されており、焦らず習熟度を見て判断することが推奨されます。 -
特定技能外国人に早く仕事を覚えてもらうため、受け入れ施設側で事前に準備できる工夫はありますか?
指導のブレを防ぐために専任の教育担当者を決め、教えた内容を本人の言葉で復唱確認するOJT設計が効果的です。また、介護記録や申し送りで頻出する文章のテンプレート化や、専門用語集の整備も立ち上がりを大きく後押しします。
ケアコンパスでは、業務マニュアルや専門用語集の翻訳支援に加え、日本人スタッフ向けに異文化理解研修を実施するなど、現場の教育負担を軽減し早期戦力化を促す環境づくりを支援しています。
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外国人介護職員の受け入れが初めてで、指導や育成を自施設だけで進められるか不安です。
初めての受け入れでは、日本語力や介護適性を面接段階で見極めることと、入職後の手厚い生活・メンタル面でのフォローが定着を大きく左右します。
ケアコンパスでは、採用決定まで完全無料で面談から入国手続きまでを伴走し、2段階面接により現場に馴染みやすい人材を厳選しています。就労後も月額3万円の支援業務費用のなかで定期面談や生活支援を一貫して行い、直近1年平均で93.6%という高い1年定着率を支えています。






