外国人介護職員の教育担当はどう決める?向いている人の条件と負担を軽くする工夫を解説
| この記事で分かること |
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外国人介護職員を受け入れることが決まり、意外と悩むのが教育担当者を誰にするかです。
経験豊富な職員に任せるべきか、外国人とのコミュニケーションが得意そうな人がよいのか。現場によっては、担当をお願いしても本人が負担を心配し、なかなか決まらないこともあります。
教育担当に向いている人には、大きく3つの特徴があります。ただし、人選だけで教育がうまくいくわけではありません。担当者が一人で抱え込まない体制までつくることが大切です。
この記事では、外国人介護職員の教育担当者の役割、向いている人の特徴、担当者の負担を軽くする方法をご紹介します。
この記事は、一般社団法人 外国人介護留学生支援機構(ケアコンパス)で外国人介護職員の受入れ・定着支援を行っている青山が、実際に介護施設を支援する中で見てきたことをもとにお伝えしています。
外国人介護スタッフをケアする役割の範囲は?

まず決めておきたいのは、教育担当者がどこまで対応するのかです。教育担当者の主な役割は、日々の介護業務を現場で教えることです。
教育担当者の対応範囲
教育担当者は、以下の内容などをOJTで一緒に確認していきましょう。
- 介助方法
- 一日の流れ
- 記録方法
- 利用者との接し方
- 施設独自のルール
教育担当者を何でも相談できる人にしすぎないよう注意しましょう。生活上の困りごと、行政手続き、住居、メンタル面の相談まで一人で抱えると、担当者の負担は大きくなります。
業務の相談は教育担当、生活面は登録支援機関、施設全体に関わることは受入れ責任者というように役割を分けておくと安心です。
特に入職後3〜6か月ほどは、仕事を覚えるために教育担当者との関わりが多くなります。その後は習熟度を確認しながら、少しずつ一人でできる業務を増やしていきます。
最初から期間と役割を決めておけば、担当をお願いされる職員も引き受けやすくなります。
外国人介護職員の教育担当に向いている人の3つの条件

教育担当者を役職や経験年数だけで決めると、思ったようにいかないことがあります。介護経験が長いことと、人に分かりやすく教えられることは、必ずしも同じではありません。
外国人介護職員の教育担当に向いている人は以下の3つの条件があります。
- 業務を言葉で分解して説明できる
- できないことを責めずに待てる
- やさしい日本語に言い換えられる
それぞれの条件を詳しく解説します。
業務を言葉で分解して説明できる
一つ目は、普段何気なく行っている仕事を、順番に分けて説明できる人です。
経験豊富な職員ほど、長年の勘で感覚的に仕事をしていることが少なくありません。本人には当たり前にできるため、見ていれば分かる、前にも教えたから大丈夫と考えてしまいがちです。
外国人職員に限らず、新人に仕事を教えるときは、以下の3つに分けて説明できる人のほうが向いています。
- 最初に何をするのか
- 次に何を確認するのか
- なぜその作業が必要なのか
言葉だけではなく、まず自分で実際にやって見せられる人も教え方が上手です。
目の前で動きを見せ、そのあと本人にやってもらい、違うところだけを直すことで、言葉だけでは伝わりにくい介護業務も理解しやすくなります。
できないことを責めずに待てる
二つ目は、すぐにできなくても待てる人です。
外国人職員の場合、日本語の説明を理解することと、介護技術を覚えることを同時に進めています。
説明を聞いてすぐ動けないことがあっても、それだけで仕事を覚えるのが遅いとは限りません。少し言い方を変えたり、もう一度実演したりすると、理解できることがあります。
私たちが現場を見ていても、技術力が一番高い人よりも、相手のペースに合わせられる人のほうが教育担当としてうまくいくケースがあると感じています。
実際に、20代前半から半ばの外国人職員を受け入れた施設で、同じ年代の子どもを持つ職員が教育担当としてとても上手に関わっていたことがありました。
仕事だけを見るのではなく、親のような目線で、分からないことを聞きやすい雰囲気をつくっていたのです。本人が困っていると、その場で実際にやって見せ、「こういう方法もあるよ」と、その人に合ったやり方まで提案していました。
ベテランだから教育担当にするのではなく、相手が理解するまで付き合える人かどうかを見ることが大切です。
やさしい日本語に言い換えられる
三つ目は、難しい言葉を分かりやすく言い換えられることです。
介護現場では、専門用語や施設内だけで通じる言葉がたくさんあります。さらに、話すスピードが速かったり、主語を省いたりすると、日本語を勉強している外国人職員には伝わりにくくなります。
例えば、「あれを取ってきて」ではなく「倉庫から青いタオルを3枚持ってきてください」と伝えるだけでも、分かりやすさは大きく変わります。
特別な日本語能力が必要なわけではありません。以下の3つを意識するだけでも、伝わりやすさは大きく変わります。
- 短く話す
- 具体的に伝える
- 一度に一つお願いする
やさしい日本語は、生まれつき教えるのが上手な人だけができるものではありません。コツを知れば、誰でも少しずつ身につけられます。
外国人介護スタッフ教育担当の負担を軽くする工夫とは?

教育担当者が疲れてしまう原因を、外国人職員本人の問題だけにしてはいけません。
多くの場合、通常業務をそのまま続けながら教育まで任せる体制には無理があります。
教える時間をシフトに組み込み善意の残業にしない
教育は本来の業務の一つとして考えることが大切です。
通常どおりの利用者対応を行い、その合間に新人へ説明し、勤務後に質問へ答える。この状態が続けば、どんなに面倒見のよい職員でも疲れてしまいます。
できれば、入職直後は教育する時間をシフトに組み込みましょう。例えば、通常より担当する利用者を少なくしたり、記録時間に余裕を持たせたりするだけでも違います。
施設によっては、教育担当者への手当を検討する方法もあります。少なくとも、教育を本人の善意だけに頼らないことです。
教育担当をお願いするのであれば、その分の時間や負担を施設側も一緒に考える必要があります。
サブ担当を置き抱え込みを防ぐ
主担当とは別に、サブ担当を一人決めておく方法もおすすめしています。主担当が休みの日や夜勤のときでも、外国人職員が迷わず質問できます。
サブ担当は外国人職員のためだけではありません。主担当がサブ担当に「最近少し教えるのが難しい」「この部分がなかなか伝わらない」と相談できる相手にもなります。
また、週に一度でも管理者が教育担当者から状況を聞く時間をつくると、小さな困りごとを早い段階で拾えます。
本人の様子だけでなく、教える側が疲れていないかを見ることも受け入れでは大切です。
教育担当を孤立させず施設全体で育てる空気をつくる
教育担当者を決めたからといって、ほかの職員が教育に関わらなくてよいわけではありません。
受入れ前には、フロアの職員にも、教育担当者を中心にしながら施設全体で育てていくことを共有しておきます。
例えば、困っている様子があれば声をかける、できるようになった仕事があれば認めるといったことでも本人の安心につながります。
同時に、管理者は外国人職員だけではなく、教育担当者にも声をかけることが大切です。責任感の強い人ほど、困っていても自分から言わないことがあります。
教育担当自身が困ったとき、誰に相談すればよいのかも最初に決めておきましょう。
外国人職員の定着を考えるとき、本人への支援ばかりに目が向きます。しかし、支えている職員が無理なく続けられる環境をつくることも定着支援の一つです。
外国人職員へ教える負担自体を教材・外部リソースで減らす方法とは?
教育担当者が毎回同じ説明を繰り返さなくてもよいように、教材を使う方法もあります。
例えば、介助の流れや施設内のルールを写真付きの手順書にしておけば、本人が後から自分で確認できます。
動画も有効です。実際の動きを短い動画にしておけば、言葉だけでは理解しにくい仕事も繰り返し確認できます。
ほかにも以下の点を組み合わせると、教育担当者の説明負担を減らせます。
- 写真付きの業務マニュアル
- ひらがなを増やした資料
- 多言語のマニュアル
- 翻訳ツール
- 外部研修
ケアコンパスにはベトナム人スタッフが在籍しており、必要に応じて施設の業務マニュアルをベトナム語へ翻訳しています。
また、外国人職員が入職する前に施設へ伺い、既存職員向けに受入れ時の注意点やコミュニケーション方法を説明することもあります。
教育担当者一人の教える力に頼るのではなく、人と教材と外部支援を組み合わせるほうが、無理なく教育を続けられます。
まとめ|教育担当を決めるだけでなく、支える体制まで考える
外国人介護職員の教育担当者を選ぶときは、経験年数だけを見る必要はありません。大切なのは、以下の3つです。
- 業務を分けて説明できる
- できないことを責めずに待てる
- 分かりやすい日本語へ言い換えられる
それ以上に大切なのが、教育担当者を一人にしないことです。
外国人職員が安心して成長できる施設は、教育担当者も安心して教えられる施設です。
基本的な考え方は、日本人の新人職員を育てるときと変わりません。言葉や文化の違いに合わせて少し伝え方を工夫することで、外国人職員だけでなく、すべての新人職員を育成しやすい環境づくりへとつながります。
ケアコンパスでは、外国人介護職員の紹介だけでなく、受入れ前の準備や既存職員への説明、入職後の定着まで施設ごとの状況に合わせて支援しています。
初めての外国人採用や教育体制についてお困りの場合は、外国人採用が初めての方向けのページもぜひご覧ください。
よくある質問
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外国人介護職員の教育担当者は、生活面のサポートまで対応すべきですか?
生活面のサポートや行政手続き、メンタル面の相談まで教育担当者が一人で抱え込むのは避けるべきです。業務の相談は教育担当、生活面は登録支援機関、施設全体に関わることは受入れ責任者と、最初から役割を分けておくことが重要です。
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外国人介護職員の教育担当に向いているのは、どのような人ですか?
経験年数の長さよりも、「業務を言葉で分解して説明できる」「すぐにできなくても相手のペースで待てる」「専門用語をやさしい日本語に言い換えられる」という3つの条件を満たす人が教育担当に向いています。
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教育担当者の負担を軽くするために、施設側でどのような工夫ができますか?
教える時間をシフトに組み込んで善意の残業にしないことや、主担当のほかに休みの日でも質問できるサブ担当を置くことが効果的です。また、写真付きマニュアルや多言語資料、翻訳ツールを活用して説明の負担自体を減らす工夫も大切です。
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施設内のマニュアルを多言語化したい場合、どのようなサポートが受けられますか?
ケアコンパスではベトナム人スタッフが在籍しており、必要に応じて施設の業務マニュアルをベトナム語へ翻訳するサポートを行っています。教材や外部リソースを組み合わせることで、教育担当者の説明負担を大きく軽減できます。
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外国人採用や教育体制の構築に不安がある場合、どこに相談できますか?
ケアコンパスでは、外国人介護職員の紹介だけでなく、受入れ前の準備や既存職員への事前説明、入職後の定着まで施設ごとに一貫して支援しています。初めての外国人採用や教育体制にお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。






