外国人スタッフとの面談で何を話す?質問例と「大丈夫です」で終わらせない工夫
| この記事で分かること |
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「毎回『大丈夫です』で終わってしまう……。」
「何を聞けば、本音を話してもらえるのでしょうか。」
外国人職員を受け入れている施設の担当者から、面談についてご相談をいただく中で、よく聞く言葉です。
私自身も介護施設で生活相談員や管理者として働いていた頃、職員との面談では同じように悩むことがありました。
しかし実際には、困っていることがないわけではありません。質問の型を少し変えるだけで、それまで聞けなかった本音が自然と出てくることがあります。
面談は、困りごとを探す時間ではありません。安心して話せる関係を少しずつ築き、信頼を積み重ねていく時間です。
本記事では、法定の定期面談との違いを整理しながら、現場でおすすめしている質問例や、「大丈夫です」で終わらせないための工夫、日常面談の頻度や記録の残し方まで分かりやすくご紹介します。
一般社団法人 外国人介護留学生支援機構(ケアコンパス)で外国人介護職員の受入れ・定着支援に携わり、介護施設で生活相談員・管理者としての経験を持つ義本康雄が現場での実体験をもとにお伝えします。
施設が行う日常の1on1と法定の定期面談の違いは?

外国人職員との面談には、制度上必要な「法定の定期面談」と、施設が日頃から行う「日常の1on1」があります。
特定技能では、3か月に1回以上の定期面談が義務づけられており、支援責任者や支援担当者、または委託を受けた登録支援機関が実施します。
ここでは、禁止業務に従事していないか、生活面で困っていることはないかなど制度上必要な項目を確認します。
一方で、施設の日常面談は目的が少し違います。
私が施設で働いていた頃は、「最近どうですか」と声をかける短い時間も含めて、日常の面談だと考えていました。これは外国人職員に限らず、日本人の新しいスタッフと関わるときも同じです。
仕事の話だけではなく、休日の過ごし方や、一緒に昼食を食べている人のことなど、何気ない会話から職場での様子が見えてくることは少なくありません。
介護の現場では、困りごとが大きくなってから分かるより、小さな変化のうちに気づけるほうが、その後の対応もしやすくなります。
だから私は、日常の1on1は問題探しではなく、信頼貯金だと考えています。安心して話せる関係を少しずつ築いていく時間にしてほしいと思っています。
面談で使える質問の型と質問例
「毎回、何を話そうか考えてしまいます。」
これは施設担当者からよく聞く悩みです。でも、面談は毎回違う話題を用意する必要はありません。
質問の型を持っておくだけで、面談は自然と続き、本音も引き出しやすくなります。
「困っていることはない?」がNGな理由
もちろん間違いではありません。ただ、この聞き方では「大丈夫です」で終わってしまうことがよくあります。
私が施設で働いていた頃も、まじめで周りに気を遣う外国人職員ほど、「大丈夫です」と答える場面をよく見てきました。本当は少し困っていても、「迷惑をかけたくない」「まだ我慢できる」と考えていることもあります。
仕事の流れを一緒におさらい
私は、最初から困りごとを聞くのではなく、仕事の流れを一緒に振り返るようにしていました。
例えば、私は一日の仕事の流れを一緒に振り返ることから始めていました。
「朝、出勤したら最初に何をしますか?」
「その次はどんな仕事がありますか?」
「入浴介助は何人で担当していますか?」
こんなふうに、仕事の順番をたどるように話してもらうだけです。
すると最初は「特に困っていません」と話していた職員でも、
「申し送りが少し聞き取りにくいです。」
「入浴介助は、まだ自信がありません。」
といった言葉が自然と出てくることがあります。
困りごとは、最初から「困っています」と話せるとは限りません。仕事の様子を一緒に振り返る中で、自分でも気づいていなかった不安や疑問が言葉になることがあります。
だから私は、最初から困りごとを聞くより、毎日の仕事を一緒に確認することを大切にしていました。
仕事・生活・人間関係・キャリアに関してそのまま使える質問例一覧
面談で「具体的に、何を聞けばいいの?」というご相談は、施設からよくいただきます。
私自身も施設で面談をしていた頃は、毎回違う話題を考えようとしていました。でも実際には、
- 仕事
- 生活
- 人間関係
- キャリア
の4つを意識するだけで、話題に困ることはほとんどありませんでした。
毎回すべてを聞く必要はありません。テーマごとにいくつか質問を用意しておき、その日の様子に合わせて選ぶだけでも、会話は自然と広がります。
私がおすすめしている質問例をご紹介します。
仕事について
- 今日の仕事は、朝からどんな順番でしましたか?
- 今週、一番大変だった仕事は何でしたか?
- 入浴介助は何人で担当していますか?
- 申し送りで聞き取りにくいことはありませんか?
生活について
- 休みの日は何をして過ごしましたか?
- 最近は何時間くらい寝ていますか?
- ご飯は自炊していますか?外食が多いですか?
- 近所で困っていることはありませんか?
人間関係について
- 最近よく話す職員は誰ですか?
- お昼休みは誰と食べることが多いですか?
- 職場で相談しやすい人はいますか?
キャリアについて
- 日本語の勉強は最近どうですか?
- 介護福祉士の勉強は進んでいますか?
- 次に挑戦してみたい仕事はありますか?
聞きたいことではなく答えやすい質問から始める
私が面談でいつも心がけていたのは、相手が答えやすい質問から始めることです。
質問は順番どおりに聞く必要はありません。その日の様子や前回の面談内容に合わせて、一つか二つ選ぶだけでも会話は自然と広がります。
外国人職員だから特別な質問をする必要はありません。日本人の新人職員と同じように、日々の仕事や生活の様子を聞きながら信頼関係を築くことが大切です。
違うのは、言葉や生活環境に少し配慮を加えることだけだと私は考えています。
やさしい日本語で聞くコツ
面談では、質問の内容だけでなく伝え方も大切です。一文は短く、質問は一度に一つにすると相手も答えやすくなります。返事を急がせず、最後まで待つことも意識しています。
現場では標準語を基本にしつつ、普段から関西弁で会話している職場なら、その言い回しのほうが安心して話せることもありました。相手が理解しやすく、話しやすい言葉を選ぶことが大切です。
また、相手が話した言葉をそのまま繰り返して確認すると、「はい、それです」と安心して話を続けてくれることがあります。
難しい言葉を使わないことよりも、相手のペースに合わせて、ゆっくり丁寧に会話を進めることを意識すると良いと思います。
「大丈夫です」しか返ってこないときの工夫は?

私自身も施設で働いていた頃、新しく入職したスタッフとの面談では、「大丈夫です」と答えられてしまい、その先の話がなかなか聞けないことがありました。
これは外国人職員だけでなく、日本人の新人職員にもよくあることです。実際には、聞き方を少し変えるだけで、本音が自然と出てくる場面を多く見てきました。
「大丈夫です」の背景にある文化的な事情
「大丈夫です」が続く背景には、文化の違いや、日本で働くことへの不安、慣れない環境などが影響していることもあります。
国や文化によっては、目上の人に困りごとや不満を伝えることを控える傾向があったり、我慢することが良いことと考えられていたりする場合もあります。
そのため、困っていても、すぐには言葉にできないことも少なくありません。だからこそ、「言わないから問題はない」と考えるのではなく、「まだ話しにくいのかもしれない」という前提で関わることをおすすめします。
安心して話せる関係ができると、少しずつ本音を聞かせてくれることが多いものです。
本音を引き出す3つの工夫
「大丈夫です」が続くときは、無理に答えを引き出そうとしないことが大切です。私が現場で意識していたのは、次の3つです。
- 雑談から入る(食事や母国、休日の過ごし方など、答えやすい話題から始める)
- 場所を変える(面談室ではなく、休憩スペースなどリラックスできる場所で話す)
- 母国語で話せる機会をつくる(通訳や登録支援機関の定期面談を活用する)
実際に、母国語で面談をすると、日本語では出てこなかった仕事や生活の悩みが聞けることも少なくありません。
ケアコンパスでも、面談で把握した内容を施設と共有し、早めの対応につなげるようにしています。
私が大切にしているのは、一度の面談で本音を引き出そうとしないことです。「この人には話しても大丈夫」と思ってもらえる関係を、少しずつ築いていけば十分だと考えています。
面談以外で見る変化のサイン
面談で「大丈夫です」と話していても、
- 欠勤や遅刻が増えていないか
- 表情に元気がない日が続いていないか
- 休憩中の様子や同僚との会話が減っていないか
なども見ておきたいポイントです。言葉だけでなく、普段の様子も合わせて見ることで小さな変化に気づきやすくなります。
私が支援していた施設では、日本語での面談では「大丈夫です」と話していた職員が、母国語での面談で夜勤の記録に不安を感じていることを打ち明けてくれたことがありました。
その後、教育担当者が記録の書き方を一緒に確認する時間を設けたことで不安が和らぎ、表情も以前のように明るくなりました。
日常面談の頻度・時間・記録の残し方は?

日常面談の頻度は施設によってさまざまです。月1回程度としている施設もあれば、必要に応じて実施している施設もあります。私が施設をご支援する中で感じるのは、回数よりも、困ったときに気軽に相談できる関係を普段からつくっておく大切さです。
日頃から短い声かけを続けるほうが、小さな変化にも気づきやすくなります。入職して間もない頃は少し意識して声をかけ、必要に応じて面談の機会を増やすと安心です。
面談時間も15〜30分ほどあれば十分でしょう。
記録は簡単でも残しておく
面談の記録は難しく考える必要はありません。
- 「日付」
- 「話した内容」
- 「気になったこと」
- 「次回確認すること」
の4項目だけでも十分です。
仕事だけでなく、生活面で気になったことも残しておくと、次回の面談で変化を確認しやすくなります。なお、これは日常面談の記録であり、登録支援機関などが作成する法定面談の支援実施記録とは目的が異なります。
共有する人を決めておく
面談で聞いた内容は、教育担当者やシフト作成者など、業務上必要な人だけで共有するルールを決めておくと安心です。
本人が「話したことがすぐに広まる」と感じてしまうと、その後は本音を話しにくくなることがあります。プライバシーに配慮しながら、安心して相談できる環境を整えることが大切です。
まとめ
外国人職員との面談は、決まった質問をこなす時間ではありません。質問の型を持っておくことで会話が広がり、安心して話せる関係を少しずつ築いていくことができます。
私は、面談は問題探しではなく、信頼貯金だと考えています。日常の1on1と法定の定期面談には、それぞれ役割があります。
その役割を生かしながら、信頼関係を少しずつ積み重ねていくことが大切です。
私が現場で感じてきたのは、文化の違いそのものが問題になることはそれほど多くないということです。むしろ、お互いを理解しようとする関わり方のほうが、定着には大きく影響すると感じています。
大切なのは、お互いを受け入れ、認め合い、安心して話せる信頼関係を築くことです。それは、外国人職員だけでなく、日本人スタッフとの関わりにも共通することだと感じています。
面談で「何も困っていません」と話していても、表情や日頃の様子が気になることもあるでしょう。
そんなときは、一人で抱え込まず、登録支援機関に相談することも一つの方法です。
私たちケアコンパスでも、施設ごとの状況に合わせた受け入れや定着支援を行っていますので、お困りの際は「登録支援機関をお探しの方へ」をご覧ください。
制度について詳しく知りたい方は、「特定技能『介護』とは」もあわせて参考にしていただければと思います。
よくある質問
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日常の1on1と、特定技能の法定定期面談は何が違うのでしょうか?
特定技能の法定面談は、3か月に1回以上、制度上の不備や生活の困りごとを確認するために義務付けられたものです。一方、日常の1on1は施設の信頼関係構築を目的としています。「最近どうですか」といった短い会話を通じ、小さな変化に気づくことで大きなトラブルを未然に防ぐ信頼貯金の役割を果たします。
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外国人職員が「大丈夫です」としか答えてくれない場合、どうすれば本音が聞けますか?
最初から困りごとを聞くのではなく、一日の仕事の流れを順番に振り返ってもらいましょう。「朝一番に何をしましたか?」と事実を尋ねることで、「実は申し送りが聞き取りにくい」といった具体的な課題が自然と出てきます。また、面談室ではなく休憩スペースなどリラックスできる場所で話すことも有効な工夫です。
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面談の頻度や記録はどの程度行えばよいのでしょうか?
頻度は月1回程度、時間は15〜30分ほどで十分です。記録は「日付」「話した内容」「気になったこと」「次回確認すること」の4項目に絞ると継続しやすくなります。生活面での変化も残しておくと、次回の面談時に前回の内容を踏まえた声かけができ、より深い信頼関係につながります。
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現場が忙しく、面談を継続して定着につなげる余裕がないのですが。
面談は必ずしも長時間である必要はありません。日頃の挨拶や短い声かけを積み重ねることが定着への近道です。ケアコンパスでは、特定技能人材の紹介だけでなく、就労後のフォローまで一貫して支援しています。採用成功率85.3%の知見を活かし、施設側の負担を最小限に抑えながら、長く働ける環境づくりをサポートいたします。
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日本語での面談では限界を感じる場合、どのような対策がありますか?
言葉の壁や文化の違いから、日本語では深い悩みを打ち明けられないケースは少なくありません。その場合は、母国語で話せる機会を設けるのが最善です。ケアコンパスでは、常駐・オンラインでの通訳サポート体制を整えており、法定の支援範囲を超えて、銀行口座や通院、住居などの生活面まで幅広く代行し、職員の不安を解消します。






