この記事で分かること
  • 委託先の登録支援機関を替えるときは、前の契約の「終了」と新しい契約の「締結」、そして支援計画の変更の届出が必要です
  • 届出はいずれも事由が生じた日から14日以内に、受入れ機関である施設が提出します。登録支援機関が代わりに出すことはできません
  • 14日以内は「消印」ではなく「到達」で数えます。遅れたときは理由を説明する文書を添えて、速やかに提出します
  • 支援を途切れさせないためには、前の契約の終了日と新しい契約の開始日をつなげて決めることが出発点です
  • 前の委託先から受け取る引継ぎ資料のチェックリストと、変更の手順表を掲載しています

定期面談の報告が届かない。本人に聞くと「最後に会ったのはいつか覚えていない」と言う。相談の窓口に電話をしても、折り返しが翌週になる。委託している登録支援機関にこうした不満が積み重なり、替えたいと思っても、「途中で替えて手続きは大丈夫なのか」「支援が空白になったらどうなるのか」が分からず、そのままになっている施設は少なくありません。

結論から申し上げると、登録支援機関は契約の途中でも替えられます。施設がやるべきことは、契約の終了日と開始日を決め、そこから14日以内に3つの事由を届け出ることです。手順と期限を押さえておけば、支援を途切れさせずに切り替えられます。

この記事では、大阪で介護分野に特化した登録支援機関として外国人材の採用と定着を支援してきたケアコンパスが、変更を判断する目安、必要な届出、引継ぎの手順と資料を、出入国在留管理庁の案内に沿って整理します。

ケアコンパスに切り替える場合の期間・費用・お任せいただけることは、記事の後半にまとめています。

登録支援機関の変更を考えるべきサインは?

変更を急ぐべきなのは、支援計画どおりの支援が行われていない疑いがあるときです。義務的支援は全部を実施しなければならず、実施されていなければ受入れ機関である施設の問題になります。次の表で、いまの状況を確かめてください。

よくあるサイン 確かめること 考え方
定期面談の報告が来ない 3か月に1回以上の面談が、本人と上司の両方に行われているか 行われていなければ、早めの変更を検討する
相談の返事が遅い 本人の母国語で、どの時間帯に相談できる契約か 契約どおりでなければ改善を求め、改まらなければ変更する
届出の資料が届かない 定期届出で取りまとめる支援実施状況の資料を受け取れているか 届出に影響するため、優先して話し合う
担当者がよく替わる 支援計画書に書かれた担当者と、実際に来る人が同じか 担当者の変更は支援計画の変更の届出が要る場合がある
費用が見合わない 月額に含まれる支援の範囲と、別料金の項目 他社の見積書と年額で比べてから判断する

定期面談のやり方そのものに不安がある場合は「外国人スタッフとの面談で何を話す?質問例と工夫」も参考になります。新しい委託先を選ぶときの比べ方は「介護施設は登録支援機関をどう選ぶ?委託先を比べる5つの軸と契約前のチェックリスト」で解説しています。

登録支援機関を変更するときに必要な届出は?

支援の全部を委託している施設が委託先を替えると、前の委託先との支援委託契約の終了と、新しい委託先との支援委託契約の締結という2つの事由が生じます。あわせて、1号特定技能外国人支援計画書の「Ⅲ 登録支援機関」欄が変わるため、支援計画の変更も届け出ます。

届出 参考様式 期限 主な添付書類
支援委託契約の終了 第3-3-2号 終了した日から14日以内 届出書に終了した年月日と終了の事由を記載
支援委託契約の締結 第3-3-2号 締結した日から14日以内 登録支援機関との支援委託契約に関する説明書(第1-25号)など、契約内容を示す資料
支援計画の変更 第3-2号 変更が生じた日から14日以内 1号特定技能外国人支援計画書(第1-17号)。支援責任者・担当者も替わる場合はその書類

支援委託契約に係る届出書は、契約を「終了」した場合と「締結」した場合で同じ様式(第3-3-2号)を使い、委託先を替えるときは終了と締結の届出がそれぞれ必要です。参考様式の使用は必須ではありませんが、届出内容の不備を防ぐため、できる限り使うよう求められています。

支援計画書は、変更した箇所と末尾(機関名称、作成責任者の氏名)だけを記載すれば足ります。届出の内容によっては、管轄の地方出入国在留管理局から追加の資料を求められることがあります。

届出は誰が、どこへ、どうやって出す?

届出を出すのは、受入れ機関である施設です。登録支援機関と委託契約を結んでいても、登録支援機関が届出を行うことはできません。届出書の作成を他人に任せられるのは、行政書士または弁護士の身分を持つ方に限られ、その場合は委任状を提出します。

提出先は、法人の場合は登記上の本店所在地を管轄する地方出入国在留管理局または支局(空港支局を除く)です。事業所(支店、施設)ごとに出すものではありません。大阪に複数の施設を持つ法人でも、本店の所在地で決まります。

提出の方法は、電子届出システム、窓口への持参、郵送の3つです。電子届出は事前に利用者情報の登録が必要で、届出書そのものは画面上で入力しますが、添付書類はデータで添付します。郵送の場合は、身分を証する文書等の写しを同封し、封筒の表に朱書きで「特定技能届出書在中」等と書きます。

「14日以内」はどう数える?遅れたらどうなる?

随時届出は、それぞれの届出事由が生じた日から14日以内に提出します。郵送の場合も、14日以内に地方出入国在留管理局または支局に届いている必要があり、消印の日付では判断されません。また、まだ来ていない日を事由の発生日とする届出は出せません。

14日を過ぎてしまっても、届出は提出できます。速やかに提出し、遅れた理由を説明する文書を必ず添付してください。

届出をしなかった場合や虚偽の届出をした場合は、一定の期間、特定技能雇用契約を結べなくなることがあるだけでなく、罰金刑や過料に問われる可能性があります。

自社支援に切り替える場合、自社支援から委託に切り替える場合は?

委託先を替えるのではなく、登録支援機関との契約を終えて施設が自ら支援する場合は、支援委託契約の終了の届出と、支援計画の変更の届出が必要です。施設の役職員から支援責任者と支援担当者を選任し、支援計画書のとおりに支援を行う必要があります。支援の全部を委託していた施設が一部の委託に変える場合も、支援委託契約の終了の届出が必要です。

反対に、自社支援から登録支援機関への全部委託に切り替える場合は、支援委託契約の締結の届出と支援計画の変更の届出を出します。このときは、新しい委託先の登録支援機関概要書、支援責任者の就任承諾書及び誓約書、支援責任者と支援担当者の履歴書を委託先から受け取り、届出書に添付します。

支援を途切れさせないための変更の手順

変更で最も避けたいのは、前の契約が終わってから新しい契約が始まるまでに、誰も支援を担当しない期間ができることです。次の順番で進めてください。

時期の目安 施設がすること 前の委託先 新しい委託先
検討の段階 今の契約書で契約期間と解約の申し出の期限を確かめる - 見積書・支援計画書の案を受け取って比べる
日付を決める 前の契約の終了日と、新しい契約の開始日をつなげて決める 解約の申し出を受け、終了日を確定する 開始日と最初の面談の日程を決める
終了日まで 引継ぎ資料を受け取る段取りをつける 支援の記録などを引き渡す 引継ぎ資料を読み、変更後の支援計画書を準備する
切り替え前後 外国人本人に変更の内容を説明する - 翻訳した支援計画書をもとに本人へ説明する
事由から14日以内 終了・締結・支援計画の変更の3つを届け出る - 届出に添付する書類を施設へ渡す

終了日と開始日を近づけておくと、3つの届出の期限もそろい、まとめて準備できます。終了日が先に来て、新しい契約の締結が遅れると、それぞれの届出の期限が別々に走り始める点に注意してください。

切り替えにかかる期間は、契約の内容、引継ぎの状況、書類の準備の状況によって前後します。

前の委託先から受け取る引継ぎ資料のチェックリスト

新しい委託先が支援をすぐに引き継げるよう、前の委託先から次の資料を受け取っておきましょう。

  • □ 現在の1号特定技能外国人支援計画書
  • □ 定期面談の記録(直近の面談日と、本人・上司それぞれの内容)
  • □ 相談・苦情の対応記録と、対応が終わっていない相談
  • □ 生活オリエンテーション、公的手続への同行など、実施ずみの支援の記録
  • □ 定期届出で取りまとめる支援実施状況の資料(今の年度の分)
  • □ 住居の契約や、携帯電話・銀行口座などの生活の契約で、前の委託先が窓口になっているもの
  • □ 在留期間の満了日と、更新の準備の進み具合
  • □ 本人の連絡先と、本人が普段使っている連絡手段

定期届出は、施設が登録支援機関による支援実施状況も取りまとめて提出します。年度の途中で委託先を替える場合の取りまとめ方は、届出の案内に個別の記載がないため、前の委託先の分の記録も必ず受け取り、管轄の地方出入国在留管理局に確かめておくと安心です。届出の全体像は「特定技能の定期届出と随時届出とは?年1回への変更点と怠った場合の影響」で解説しています。

外国人本人への説明を忘れない

支援計画を変更したときに、本人の署名をもらう必要はありません。ただし、変更した支援計画書を本人が十分に理解できる言語に翻訳して渡し、変更の内容を十分に説明する必要があります。

本人にとって、相談先が替わるのは不安の大きい出来事です。「誰に、何語で、どうやって連絡すればよいか」を新しい委託先の担当者と一緒に伝えると、切り替え直後の相談の取りこぼしを防げます。支援の変化が離職のきっかけにならないよう、「外国人介護職員が辞める施設・定着する施設の違い」もあわせてご確認ください。

届出を出す前の確認リスト

出入国在留管理庁の提出書類一覧表に載っている確認事項をもとに、提出前に次の点を確かめてください。

  • □ 届出をする機関と担当者が、施設(受入れ機関)とその職員になっている
  • □ 提出先が、法人の登記上の本店所在地を管轄する地方出入国在留管理局または支局になっている
  • □ 終了・締結・支援計画の変更の届出書がすべてそろっている
  • □ 事由が生じてから14日以内に届く日程になっている(遅れた場合は理由書を添付)
  • □ 署名すべき欄に署名している(印字していない)
  • □ 添付書類に記載漏れや誤りがない

ケアコンパスに切り替える場合の期間・費用・お任せいただけること

大阪で委託先の切り替えを検討している介護施設様に向けて、ケアコンパスへ切り替える場合の目安をまとめます。

期間 一般的には2週間〜1か月程度です。今の契約の解約の申し出の期限、引継ぎの状況、書類の準備の状況によって前後します。
費用 ケアコンパスの支援業務費用は月額3万円です。今の契約を途中で終える場合の費用は、今の契約書の定めによります。
外国人職員への影響 委託先を替えても、施設と本人の雇用契約や在留資格はそのまま続きます。変わるのは支援の担当者と相談の窓口です。変更後の支援計画書をもとに、本人へ内容を説明します。
対応言語 ケアコンパスの登録上の対応言語はベトナム語です(出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿)。ほかの国籍の職員の支援は、まずご相談ください。
お任せいただけること 前の委託先からの引継ぎ資料の確認、変更後の支援計画書の準備、届出に添付する書類のご用意、本人への説明、切り替え後の定期面談・生活支援・相談対応。届出そのものは施設(受入れ機関)が提出します。

いまの契約書を見ながら、切り替えの日程と届出の段取りを一緒に整理します。詳しくは「大阪の介護施設向け登録支援機関の変更・引継ぎのご案内」をご覧いただくか、施設向けお問い合わせフォームからご相談ください。

よくある質問

契約期間の途中でも登録支援機関は替えられますか?

制度上、委託先を替えることはできます。途中解約の条件や費用は今の契約書の定めによるため、まず解約の申し出の期限と、途中で終える場合の費用を確かめてください。

複数の外国人のうち1人が退職しました。支援委託契約の届出は必要ですか?

ほかの外国人について同じ登録支援機関との委託契約が続く場合は、支援委託契約の届出は必要ありません。退職した方については、特定技能雇用契約の終了に係る届出を出します。

一時帰国のために雇用契約をいったん終える場合はどうなりますか?

一時帰国を理由に支援委託契約も終えた場合は、終了の届出が必要です。再入国後も同じ登録支援機関に支援してもらう予定で、支援委託契約を終えていない場合は、届出は必要ありません。

委託料や契約期間だけを変えた場合も届出が必要ですか?

必要です。委託先は替えずに、委託料や契約期間など支援委託契約の内容を変えた場合は、変更の届出(参考様式第3-3-1号)を出します。契約期間は、短くした場合に限らず、期間に変更が生じたときは届出が必要です。

まとめ

登録支援機関の変更は、次の3点を押さえれば、支援を途切れさせずに進められます。

  1. 前の契約の終了日と新しい契約の開始日をつなげて決める
  2. 終了・締結・支援計画の変更の3つを、事由から14日以内に施設が届け出る
  3. 支援の記録を引き継ぎ、翻訳した支援計画書で本人に説明する

ケアコンパスは大阪を拠点に介護分野へ特化し、17法人・26施設、延べ160名の外国人材を支援してきました。入職1年後の定着率は93.6パーセントです。

いまの委託先からの切り替えを検討している方は、大阪の介護施設向け登録支援機関の変更・引継ぎのご案内をご覧ください。今の契約書を見ながら、切り替えの日程と届出の段取りを一緒に整理します。