外国人介護職員の資格取得支援が施設にもたらすメリットとは?定着・加算・採用に効く経営投資解説
| この記事で分かること |
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「資格を取らせても、辞めてしまったら無駄では?」資格取得支援を迷う施設から、こんな声を聞くことがあります。
資格を取ったから辞める、という話ではないと思っています。資格取得は、職員が成長していくために必要な道の一つです。そこで身につけた力は、施設にとっても介護業界にとってもプラスになると思います。
この記事では、資格取得支援が施設にもたらすメリットと、シフトや費用、学習面でできる支援、資格取得後の処遇、そして「辞められたら」という不安への考え方について、一般社団法人外国人介護留学生支援機構(ケアコンパス)の青山が分かりやすく解説します。
外国人介護職員の資格取得支援とは?

資格取得支援といっても、目指す資格によって必要な準備は変わります。
初任者研修や実務者研修では通学に合わせたシフト調整、介護福祉士では試験に向けた勉強の支援など、施設ができることも違います。
資格の段階は初任者研修→実務者研修→介護福祉士
外国人介護職員の資格取得を支援するときは、本人が今どの段階にいて、次に何を目指すのかを確認します。
資格には、主に次のような段階があります。
- 介護職員初任者研修:介護の基本的な知識や技術を学ぶ研修
- 介護福祉士実務者研修:より専門的な介護技術を学び、介護福祉士の受験にも必要となる研修
- 介護福祉士:介護の専門知識と技術を証明する国家資格
介護福祉士を実務経験ルートで受験するには、原則として3年以上の実務経験と実務者研修の修了が必要です。
特定技能1号の在留期間は通算5年が上限です。1〜2年目から実務者研修や日本語学習を進め、3年以上の実務経験を積んで介護福祉士の国家試験を目指します。
5年の期限があるので、早めに準備を始めることが大切です。
日本語力と資格は両輪でN2・介護福祉士を目指す
介護福祉士を目指すうえで、日本語の勉強も欠かせません。介護の知識や技術が身についていても、試験の問題文が理解できなければ答えるのは難しいです。
日本語はN4からN3、さらにN2を目指しながら、介護の勉強も並行して進めていきます。
私が施設にお伝えしたいのは、資格の勉強を本人任せにしないことです。日本語がどこまで理解できているかも確認しながら、無理なく勉強を続けられるようにしてほしいと思います。
資格取得支援が5年の壁の出口になる定着メリット

資格取得支援の1つ目のメリットは、職員の定着につながることです。
特定技能には在留期間の上限があるため、介護福祉士を取得できるかどうかが5年を超えて働き続けられるかの分かれ道になります。
資格取得支援は、本人が日本で長く働くための選択肢を増やすことにもつながります。
特定技能の在留期間5年を超えて働ける(ほぼ)唯一のルート
特定技能1号で働ける期間は、原則として通算5年までです。
介護福祉士の資格を取得し、在留資格「介護」へ変更できれば、在留期間を更新しながら日本で働き続けることができます。要件を満たせば、配偶者や子どもと日本で暮らすことも可能になります。
施設にとっても、仕事を覚えて成長した職員に長く働いてもらえる可能性が広がります。
ただ、資格を取ったからといって同じ施設に残るわけではありません。本人が今後どんな働き方をしたいのかも聞きながら、介護福祉士の取得を支援していくことが大切だと思います。
在留資格と家族帯同の違いについては、「特定技能の家族帯同」でも紹介しています。
「ここで成長できる」という見通しが定着を後押しする
職員が長く働き続けるかどうかには、「この施設でこの先も成長できる」という見通しを持てるかどうかも関わってきます。
本人が介護福祉士を目指したいと思ったときに、施設がその挑戦を応援できることには意味があります。資格を取って、できる仕事が増えていくことは、本人にとっても施設にとってもプラスです。
資格を取ったあとに、どんな仕事をしていきたいのか、といった話も本人としておきたいです。資格を取ることだけが目標にならず、その先の成長も考えていけたらと思います。
定着する施設と辞めてしまう施設の違いについては、「辞める施設・定着する施設の違い」でも紹介しています。
加算・受け入れ枠・長期雇用で経営メリット

資格取得を支援することは、施設の運営にもメリットがあります。
介護福祉士が増えることで加算の算定につながる場合がありますし、在留資格が変われば、新たな特定技能外国人を受け入れる余地も生まれます。
介護福祉士の割合が加算の要件に関わる
サービス提供体制強化加算などには、介護福祉士の割合が算定要件に関わるものがあります。
有資格者が退職して割合が下がると、加算を算定できなくなる場合もあります。だからこそ、新しく介護福祉士を採用することだけでなく、今いる職員に資格を取ってもらうことも考えてみてください。
外国人職員が介護福祉士を取得すれば、施設の有資格者の割合を維持したり、高めたりすることにつながります。
在留資格「介護」に移ると受け入れ体制の数え方が変わる
特定技能外国人が介護福祉士の資格を取得し、在留資格「介護」へ変更すると、特定技能1号として必要だった支援義務の対象から外れます。
また、特定技能の受け入れ人数枠の数え方も変わるため、新たな特定技能外国人を受け入れられる余地が生まれる場合があります。
これも施設にとってのメリットの一つだと思っています。今いる職員が資格を取って成長することが、次の人材を迎えることにもつながります。
資格手当・処遇改善の配分に資格を組み込む
資格取得を支援するなら、取ったあとの給与や手当もあわせて考えておく必要があります。
実際に、介護福祉士の資格を取った職員に資格手当を付けたり、基本給を上げたりしている施設もあります。
反対に、資格を取っても待遇が何も変わらなければ、不満につながることもあります。せっかく勉強して資格を取ったのですから、施設としてもその頑張りを評価してほしいと思います。
ただし、リーダーや教育担当といった役割は、資格の有無だけでなく、本人の経験や適性も見て決めることが大切です。
外国人職員だけに特別な制度をつくるのではなく、日本人職員も含めた給与や資格手当の仕組みとして考えていくのがいいと思います。
資格を取らせてくれる施設として選ばれる人材採用メリット

資格取得の支援があるかどうかは、外国人材が就職先を選ぶときにも気にするところです。
私が関わる採用面接でも、資格取得の支援や勉強する時間、費用の補助について質問されることがあります。
施設がどんな資格取得支援をしているかを伝えることは、採用の場面でも強みになります。
同郷コミュニティの評判が応募を呼ぶ
外国人職員同士は、友人や同郷のコミュニティで仕事の話をすることがあります。SNSなどで職場の情報を共有することもあります。
資格取得を応援してくれる施設であれば、その評判が広がり、次の応募につながることも考えられます。
私が関わる採用面接でも、資格取得支援があるか、勉強する時間や費用の補助があるかを聞かれることはよくあります。それだけ、資格取得を考えている人にとって気になる条件なのだと思います。
反対に、「勉強の時間も取れない」「資格の話をしても取り合ってもらえない」といった評判も同じように広がっていきます。
育った職員が次の受け入れの教育役になる
資格取得を目指して勉強し、介護の知識や技術を身につけた職員は、新しく入ってくる外国人職員にとっても頼れる存在になります。
仕事の進め方を教えたり、日本での生活について相談に乗ったりすることもできます。同じ言語で説明できる職員がいれば、新しく入った人も質問しやすいでしょう。
もちろん、実際に教育担当を任せるかどうかは、これまでの経験や本人がどこまでできるようになったかを見て判断します。
育った職員が次の職員を支えられるようになれば、日本人スタッフだけに教育の負担が集中することも減らせます。
教育担当の決め方については、「教育担当の決め方」でも紹介しています。
施設が実際にできる資格取得支援とは?

資格取得を支援するといっても、難しい仕組みをつくる必要はありません。施設ができることは、研修や勉強に合わせたシフトの調整、費用面の支援、勉強を続けられる環境づくりです。
すべてを施設で教えるのではなく、外部の講座なども利用しながら支えていけばいいと思います。
勉強できるよう学習時間とシフトの配慮
資格取得を目指す職員には、勉強する時間を確保できるよう、施設側も協力してほしいと思います。
初任者研修や実務者研修では学校に通う必要があるので、受講日に合わせたシフト調整が欠かせません。介護福祉士の試験が近づいたら、勉強時間を確保できるように勤務を調整することも考えられます。
私が関わってきた施設でも、研修の日程に合わせて休みを調整しているところがあります。
研修の日程は事前に分かることが多いので、本人から早めに共有してもらえば、施設側もシフトを組みやすくなります。
資格を取りたいという気持ちがあっても、仕事との両立が難しければ勉強は続きません。勤務の組み方を工夫することは、施設だからこそできる支援です。
受講費用の負担
資格取得にかかる費用を、施設がどこまで負担するかも考えておきたいところです。
初任者研修や実務者研修の受講費用を全額負担する施設もあれば、一部を補助する施設もあります。受験料を支援するなど、施設によって方法は違います。
費用については、ハローワークなどで利用できる制度もあります。ケアコンパスでも、制度の確認や申請について相談を受けています。
施設が費用を負担する場合は、退職時の返金を条件にするような取り決めには注意が必要です。法律上の問題になる場合もあります。
施設にも費用の負担はありますが、職員が資格を取って仕事の幅を広げていけるよう、できる範囲で支援してもらえたらと思います。
日本語学習と講座の活用
仕事をしながら資格の勉強を続けるのは、簡単なことではありません。本人の「資格を取りたい」という気持ちも必要です。
研修や試験対策は、外部の講座を利用するのが現実的です。試験は日本語で受けるため、外国人向けに日本語のサポートがある講座を選ぶと、内容を理解しながら勉強を進めやすくなります。介護福祉士の試験に向けて、勉強会や模擬試験を行っている施設もあります。
私が関わってきた中でも、施設からの声かけで勉強への取り組み方はかなり変わると感じています。「勉強は進んでる?」と定期的に聞くだけでも、勉強を続ける後押しになると思います。
ケアコンパスでも外国人介護職員の資格取得を支援しています。初任者研修や実務者研修の受講についても相談できますし、資格取得率98%という実績もあります。
資格を取らせたら辞めるのでは?

「資格取得を支援しても、そのあと辞めてしまったらどうしよう。」施設から、そういう心配の声を聞くことがあります。
退職にはいろいろな理由がありますが、資格取得後の給与や手当、働く環境も大きく関係しています。
辞める原因は取得後も処遇や役割が変わらないから
私が関わってきた中でも、介護福祉士の資格を取ったあとに、給与や資格手当が変わらないことを不満に感じるケースがあります。
資格を取ることで知識や技術が身につき、できる仕事の幅も広がります。それなのに任される仕事がずっと同じでは、本人もやりがいを感じにくいと思います。
給与や資格手当だけでなく、資格取得後にどんな仕事を任せるかも考えてほしいです。これは外国人職員だけではなく、日本人職員も同じだと思います。
支援しない施設のほうが先に人を失う
特定技能1号には、通算5年という在留期間の上限があります。支援がないまま資格を取れずに通算5年を迎えれば、特定技能1号のままでは働き続けることができません。
介護福祉士を取得して在留資格「介護」へ変更できれば、その先も一緒に働ける可能性が残ります。
「辞められたら」という心配も分かります。それでも資格を取らずに4年、5年と働いてもらうだけでいいのかとも思います。
資格取得を支援するのは、施設に残ってもらうためだけではありません。本人が知識や技術を身につけ、もっとできる仕事を増やしていく。その成長は、今働いている施設にとっても、介護業界全体にとってもプラスになると思っています。
将来どこで働くかは本人が決めることです。私は、資格を取って成長する機会を施設にも応援してもらいたいです。
まとめ
外国人介護職員の資格取得支援は、本人のためだけでなく、施設にとっても経営面のメリットがある投資です。介護福祉士が増えれば加算や受け入れ人数枠にも関わりますし、資格取得を応援していることは採用時の強みにもなります。
施設にお願いしたいのは、研修に通えるようシフトを調整すること、費用面での支援、そして勉強を続けられるよう声をかけることです。
資格を取ったあとも、給与や手当、任せる仕事を見直していくことで、本人のやりがいや成長につながります。
たとえ将来別の施設で働くことになっても、職員が成長することは無駄にはなりません。介護業界で活躍できる人を育てることにも意味があると思っています。
ケアコンパスでも、外国人介護職員の資格取得や育成について相談を受けています。詳しくは「登録支援機関をお探しの方へ」をご覧ください。
よくある質問
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外国人介護職員に対する資格取得支援とはどのようなものですか?
外国人介護職員の資格取得支援は、本人の習熟度や段階に合わせて進められます。具体的には、介護職員初任者研修や実務者研修の受講に向けたシフトの調整、介護福祉士の国家試験に向けた学習環境の整備などが挙げられます。特定技能1号の5年の期限を見据え、日本語学習(N4からN3・N2)と並行して計画的に資格を目指すことが重要になります。
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資格取得支援を行うことは、職員の定着にどのようにつながりますか?
特定技能1号の在留期間は通算5年が上限ですが、介護福祉士の資格を取得して在留資格「介護」へ変更できれば、期間を更新して日本で働き続けることができます。職員にとって「この施設で長く働き成長できる」という見通しが持てることは大きな安心感となり、早期離職を防ぎ長期的な定着を後押しする要因になります。
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資格取得を支援することは施設経営にどのようなメリットがありますか?
介護福祉士の資格を持つ職員が増えることで、サービス提供体制強化加算などの算定要件を満たしやすくなります。また、在留資格が「介護」に移行した職員は特定技能の支援義務対象から外れるため、新たな特定技能外国人を受け入れる余地が生まれるなど、施設の運営体制や採用計画の面でも大きなメリットにつながります。
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「資格を取らせてもすぐ辞めてしまうのでは」という不安にはどう向き合えばよいですか?
資格取得後に離職してしまう原因の多くは、資格を得ても給与や処遇、任せる仕事が変わらない点にあります。資格手当の支給やキャリアに応じた役割の付与など、頑張りを評価する仕組みが大切です。ケアコンパスでは、こうした定着を見据えた受入れや育成の体制づくりについて豊富な実績をもとにサポートしており、施設が安心して支援に取り組める環境づくりをお手伝いしています。
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施設で実際にどのような資格取得支援を行えばよいか迷っています。
施設ができる支援は、外部の研修講座への通学に合わせたシフト調整や、受講費用・受験料の補助、定期的な声かけによる学習意欲の維持など多岐にわたります。すべてを施設内で教える必要はありません。ケアコンパスでは、資格取得率98%を誇る実践的なサポートや、初任者・実務者研修に関するご相談も承っており、施設の負担を抑えた外国人材の育成を伴走支援いたします。






