この記事で分かること
  • 介護施設が外国人介護人材を採用する場合、ルート別の期間を把握することが全体のスケジュール管理の前提
  • 国内在住か海外からの呼び寄せかに応じて、希望する入職日から逆算して各ステップの期限を設定することが重要
  • まずは自施設でいつから外国人に働いてほしいのかという入職希望日を明確にし、採用全体の逆算表を作成
  • ケアコンパスでは逆算したスケジュールを共有しながら、申請や受け入れ準備の進み具合を施設と一緒に確認して入職までサポートしています

「外国人介護人材の採用は、まず何から始めればいい?」「入職までどのくらいかかるの?」

外国人採用を進めようと思っても、全体の流れが見えないと予定を立てにくいものです。

外国人介護人材の採用は、相談・条件確認から入職まで、大きく7つのステップで進みます。

この記事では、7ステップの流れと採用ルートごとの期間、施設がやること、遅れやすいポイントを、一般社団法人外国人介護留学生支援機構(ケアコンパス)の青山が順番にお伝えします。

国内在住人材?海外からの呼び寄せ?採用ルートで期間が決まる

国内在住人材?海外からの呼び寄せ?採用ルートで期間が決まる

同じ7ステップでも、日本にいる人を採用するのか、海外から呼び寄せるのかで入職までの期間は変わります。特に違うのが在留資格の手続きです。

外国人介護人材の採用の流れ7ステップ

外国人介護人材の採用 入職までの7ステップ

外国人介護人材の採用は、大きく次の7つのステップで進みます。

  1. 相談・受け入れ条件の確認
  2. 求人・人選
  3. 面接
  4. 内定・雇用契約
  5. 在留資格申請
  6. 受け入れ準備
  7. 入職

最初に、自施設で受け入れができるか、何人採用したいのかなどの条件を確認します。そのうえで候補者を探して面接し、採用する人が決まれば雇用契約と在留資格の手続きへ進みます。

在留資格を申請したら、結果を待っている間に受け入れ準備も始めます。住居や現場の体制づくりを、在留資格が下りてから始めると、入職前に慌てることになります。

在留資格申請と受け入れ準備は、一緒に進めていきます。この2つを並行して進めておくと、在留資格の手続きが終わってから慌てずに入職を迎えられます。

国内在住人材の場合は在留資格変更で2〜3か月が目安

日本にいる留学生や技能実習を修了した人などを採用する場合は、現在の在留資格から特定技能への変更申請を行います。

採用を始めてから入職までは、2〜3か月ほどを目安に考えます。海外から呼び寄せる場合のような入国手続きがないため、その分早く進められます。

すでに働いている人を採用するときは、、今の職場をいつ退職できるのかによっても入職時期が変わります。そのため面接の段階で、いつ頃退職できるのか、いつから働けるのかまで聞くようにしています。

海外から呼び寄せる場合は認定証明書と出国手続きで4〜6か月以上

海外にいる人を採用する場合は、在留資格認定証明書の申請に加えて、現地での手続きや入国の準備も必要です。そのため、入職までは4〜6か月以上を見ておきましょう。

施設には、海外から採用する場合は半年くらいかかる前提でお伝えしています。途中でイレギュラーが起きることもあるので、入職までの期間を短く言い切らないようにしています。

海外から採用するときの送り出し機関の仕組みについては、海外人材の送り出し機関についての記事で詳しく解説しています。

外国人介護人材の採用ステップ別にやること

外国人介護人材の採用ステップ別にやること

ここからは、7つのステップに沿って、施設で何をするのかを順番に見ていきます。人選や面接から、雇用契約、在留資格の申請、入職前の準備までステップ別に解説します。

ステップ①〜③|相談・人選・面接でやること

最初の相談では、受け入れの可否や採用人数といった条件を確認します。そのうえで、勤務時間や夜勤の有無などの希望を整理し、条件に合う人を探して面接へ進みます。

7つのステップの中で、この人選に一番時間がかかることもあります。

候補者を紹介しても、必ずその人で採用が決まるわけではありません。施設が求めている人と合うかどうかを見ながら探していきます。

面接はオンラインでもできますが、実際に会うと印象が変わることがあります。オンラインでは好印象だった人が、対面では話を聞くときに目を合わせなかったり、メモを取らなかったりすることがありました。

反対に、オンラインでは少し暗く見えた人が、会ってみると明るかったこともあります。

オンライン面接だけで採用を決める施設もありますし、施設へ来てもらってから決める施設もあります。対面で会う場合は、施設側が本人の様子を見られるだけでなく、本人にも施設の雰囲気や仕事を見てもらえます。

お互いに確認してから決めたい場合は、対面の機会をつくる方法もあります。

ステップ④〜⑤|雇用契約と在留資格申請

採用する人が決まったら、雇用条件を確認して契約を結び、在留資格の申請へ進みます。特定技能1号では、支援内容もあわせて確認しながら、申請に必要な書類をそろえていきます。

施設側に準備してもらう書類もあります。必要な書類がそろわなければ申請に進めないので、内定が決まったら準備を始めます。

出入国在留管理庁が示している標準処理期間は、在留資格変更許可申請が1〜2か月、在留資格認定証明書交付申請が1〜3か月です。

ただ、これは申請してからの標準処理期間です。入職までの予定を考えるときは、申請前に書類をそろえる期間も見ておきます。

ステップ⑥〜⑦|受け入れ準備と入職|申請と並走で進める

在留資格を申請したら、結果を待っている間に受け入れの準備を進めます。住居を決めたり、電気や水道などの生活環境を整えたり、施設では誰が仕事を教えるのかを決めていきます。

在留資格が下りてから準備を始めると、入職までに間に合わなくなることがあります。申請を進めながら、できる準備から先に済ませておきましょう。

入職日が決まったら、初日に何を説明するのか、誰が一緒に動くのかも決めておきます。仕事だけではなく、生活面も含めて準備できているかを確認して入職を迎えます。

初日の進め方は「初日オリエンテーション」の記事、現場の受け入れについては「受け入れ体制づくり」の記事で詳しく解説しています。

採用スケジュールが遅れやすいポイントは?

採用スケジュールが遅れやすいポイントは?

予定どおりに進めていても、入職時期がずれることはあります。書類や在留資格の審査、本人の退職時期など、遅れる理由はいくつかあります。

書類と審査で遅れるパターン

ステップ④〜⑤でも触れたとおり、書類が不足していると申請に進めません。不足があれば追加で準備することになるので、内定後は必要書類を一つずつ確認していきます。

申請したあとの審査は、こちらで早めることができません。私が関わったケースでも、申請が集中して、いつもより審査に時間がかかったことがありました。

この場合、採用そのものがなくなるわけではありませんが、予定していた入職日は後ろにずれます。審査期間は動かせない以上、施設側でできるのは必要な書類を不足なくそろえて早めに申請へ進むことです。

住居や本人側の事情で遅れるパターンと先回りの対処

住居は在留資格の申請中も探せます。申請と同時に探し始めているため、私が関わってきた中では、住居が決まらないこと自体が採用スケジュールを遅らせるケースはあまりありません。

予定がずれることがあるのは、本人の退職時期です。

以前、本人は1か月ほどで退職できると考えていたものの、今の勤務先から「人手が足りないのでもう1か月残ってほしい」と言われ、退職時期がずれたケースがありました。その分、入職時期も後ろにずれました。

こうした事情は、施設側でも私たちでも動かせません。だからこそ面接のときに、本人の希望だけではなく、今の職場をいつ退職できそうなのかまで確認しています。

外国人介護人材採用スケジュール管理のコツ

外国人介護人材採用スケジュール管理のコツ

採用を進めるときは、まず「いつから働いてほしいのか」を施設に確認します。その日から逆に見て、面接や在留資格の申請をいつまでに進めるのかを決めます。

スケジュールが決まったら、施設、登録支援機関、本人がそれぞれ何をするのかも確認します。誰のところで止まっているのかが見えていれば、次に何をすればいいのかも判断できます。

入職希望日からの逆算表テンプレート

入職希望日が決まったら、そこから各ステップの締切を逆算して表にしておきます。

たとえば、次のように入職日からさかのぼって書いておくと、予定を見渡しやすくなります。「○月○日」の部分は、自施設の日付に書き換えて使ってください。

工程 予定日
入職 ○月○日
受け入れ準備 入職までに完了
在留資格申請 ○月○日まで
内定・雇用契約 ○月○日まで
面接 ○月○日まで
求人・人選 ○月○日まで
相談・受け入れ条件の確認 ○月○日まで

国内在住の人なら2〜3か月、海外から採用するなら4〜6か月以上を見ながら、最初の相談時期を決めます。

ただ、人選や審査にどのくらい時間がかかるかは毎回同じではありません。日付を一度決めて終わりではなく、進み具合を見ながら予定を確認していきます。

施設・登録支援機関・本人の役割分担を明確にする

入職希望日が決まったら、次は誰が何を準備するのかを確認します。

施設だけで進めるものもあれば、本人に用意してもらう書類もあります。登録支援機関へ支援を委託する場合は、どこまでお願いするのかも決めておきます。

誰が 主に進めること
施設 雇用条件の確認、施設側の必要書類、住居や受け入れ体制の準備
登録支援機関 必要書類や手続きの案内、支援に関する準備、進み具合の確認
本人 本人側の必要書類、現在の職場の退職手続き、入職に向けた準備

採用が進んでくると、「今は何待ちなのか」が分からなくなることがあります。施設の書類待ちなのか、本人の書類待ちなのか、在留資格の審査中なのか。ここを見えるようにしておくと、次に誰へ何を確認すればよいかがはっきりします。

あわせて、進み具合をどのように確認するのか、連絡するタイミングも最初に決めておきます。

ケアコンパスでは、希望する入職日から逆算したスケジュールを最初に共有しています。「今どこまで進んでいるのか」「次に何が必要なのか」が分かるように、施設と進み具合を確認しながら入職までサポートしています。

※ケアコンパスでご案内する人材紹介は、グループ会社の株式会社ラヴェリオリンクスタッフ(有料職業紹介 許可番号27-ユ-300619)が行っています。

まとめ

外国人介護人材の採用は、相談・条件確認から入職まで7つのステップで進みます。国内にいる人なら2〜3か月、海外から採用する場合は4〜6か月以上が一つの目安です。

ただ、人選や在留資格の審査、本人の退職時期によって、入職が予定より後ろにずれることもあります。まずは希望する入職時期を決め、そこから面接や申請の予定を組んでいきます。在留資格の申請中には、住居や現場の受け入れ準備も進めます。

私たちケアコンパスでは、こうした採用スケジュールについても施設と一緒に考えています。「いつまでに入職してほしいけれど、いつから動けばいいか分からない」という段階でもご相談いただけます。

初めて外国人採用を検討している方は、「外国人採用が初めての方へ」も参考にしてください。